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Web AR 比較5選!活用事例や開発環境を徹底紹介

Web ARをご存じでしょうか。
Web ARはその名の通りWeb上で利用できるARサービスのことで、
ブラウザなどから簡単にアクセスできることが特徴です。

しかし、「ARを気軽に体験したいがどんなサービスがあるかわからない」といった方は多いのではないでしょうか。
今回は、Web ARサービスの活用事例5選と、特徴やメリット、開発環境を紹介します。

 

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この記事のポイント

  • Web ARのメリットとデメリット
  • Web ARの使用事例
  • Web ARの開発プラットフォーム

Web ARとは

Web ARとは、Webブラウザ上でARを利用できる技術のことで、
アプリをインストールしなくても使えることで注目されています。

ARにはロケーションベース型ビジョンベース型の2種類の技術が主に存在します。
ロケーションベース型はGPSなどの位置情報を利用して表示させる技術で、
ビジョンベース型はカメラを用いて対象物を認識してARを表示させる技術で、中でもマーカー型とマーカーレス型の2つに分けることができます。
今回紹介するWeb ARはこちらの技術を活用しています。

 

Web ARのメリット

Web ARがARアプリよりも優れているところにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、Web ARサービスを利用する際に、
専用アプリを用いたARを利用する場合よりも優れている点について解説していきます。

具体的には以下の項目について解説します。

  • 短納期で開発できる
  • 低コストで開発できる
  • 利用者が気軽に使いやすい

◉短納期で開発できる

Web ARは、開発面で従来のアプリよりも多くのメリットがあります。
アプリ開発となると、リリースするまでにAppleストアやGoogleストアからの審査が必要になり、
似ているアプリや不適切なアプリと判断されればリリースにこぎつけないで終わってしまいます。
一方で、Web ARの場合、審査や規約について承認される必要がないため、
承認までの期間が短縮できます
また、Web ARでの開発は工数が少なくなるため、比較的短期間で開発を行えます。

◉低コストで開発できる

Web ARを開発するメリットには低コストで開発できる事も挙げられます。
従来型のアプリARなどでは、目的に沿った開発環境を検討し、それらの構築などを行わなければなりません。
また、開発自体のスピードも下がる傾向にあります。
しかし、Web ARの場合、Web上に必要な環境はそろっているため、開発時にスムーズにテストや調整などを行えます。
そのため開発に必要なエンジニアを少なくでき、コストを抑えることができます。

◉利用者が気軽に使いやすい
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利用者がARツールを使う際、専用アプリをインストールしなければならなかったり、
都度アプリを立ち上げなければならず心理的に手が届きにくいものでした。
しかし、Web上からアクセスできるARの場合、対象サイトに対しての誘導URLの設置だけでアクセスできるため、
より使いやすくなることがメリットといえます。
また、普段利用しているPCやタブレットなど、様々なハードウェアから簡単に利用ができるのもポイントです。

 

Web ARのデメリット

ここまで、WebARのメリットについて紹介してきましたが、
既存のアプリ型ARに比べてWeb ARが劣っている部分も存在します。
アプリARは、開発期間やコストもかかるものであり軽快さはないですが、
逆をとらえればそこがメリットになる場合もあります。

技術面で限界がある

利用者にとっても事業者にとっても手軽なWebARですが、
アプリケーションに比べると技術的な面で制約を受けることがあるのは仕方ないことのようです。
手軽に開発でき、かつコストもかからない一方で、表現したい事柄や通信速度なども制限されてしまうことはあり、
今後のさらなる発展に期待されています。

 

どんな時にWeb ARを使えばいいの?事例紹介

では、実際にどのような場面でWeb ARを使えばいいのでしょうか。
使ってほしい場面や事例について紹介していきます。

一つ目は、「短期間に多くの人にARを使ってほしい」という場合があげられます。
例えば、商品の紹介などでARを介して実物を目の当たりにしたかのような体験をさせることです。

もう一つは、「ARの効果を簡単に検証したいとき」です。開発時など、
簡易的にARの効果を見たいといったとき、Web上で確認できることはメリットといえます。

 

◉短期間に多くの人に気軽にARを使ってほしいとき

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短期間に多くの人にARを使ってほしい場合は、主に大規模なイベントや、
商品販売時などユーザーに手に取ってほしいときがあげられます。

イベントや商品のPRではARによる体験を通じて認知を拡大、深化させイベントやPRからの購入を促すことができます。
また、Web ARは専用アプリのインストールを必要としないため、手軽にアクセスできます。

◉ARの効果を簡単に検証してみたいとき

Web ARは前述したように低コストかつ短期間で開発できることがメリットであり、
成果物を即座に検証したいといった場面などで使うとよいでしょう。

また、Web ARの場合アプリとは異なりURLで開発画面へ遷移できるので、
インターネット上の情報を即座に確認しやすくなります。
ARのアプリではアプリごとに機能が異なるため、Slackなどのツールと連携しやすいことも考慮できます。

 

Web ARを使用した国内外の事例5選

ここでは、Web ARを利用した国内外の事例について5つ紹介していきます。
Web ARが実際にどのように活用されているのかの参考にしてください。

  • スターバックスさくら2020【国内】
  • Shopify AR【海外】
  • NIGHT SYNC YOKOHAMA【国内】
  • AR in Google Search【海外】
  • シュウ ウエムラ【国内】利用者が気軽に使いやすい

それでは順に解説していきます。

 

◉スターバックスさくら2020【国内】


2020年2月中旬から3月中旬まで行われた「スターバックスさくら2020」というキャンペーンでは
Web ARを用いたコンテンツ提供がなされました。

スターバックス店内のPOPにあるQRコードを読み込むことで、そこにはあるはずのない満開の桜が出現するもので、誰でも楽しめます。QRコードの読み込み時に、専用アプリをインストールしなくても利用できるコンテンツとなっています。

◉Shopify AR【海外】

Shopify ARは、WebARがEコマースで商品のお試しに活用された事例になります。
Shopifyは、カナダ発祥の世界シェア1位のECサイト作成プラットフォームであり、
ストア管理経営に必要な機能を一括管理できることが特徴です。

ウェブサイト上でARボタンを押すことでカメラが起動し、対象商品を目の前に配置することができ閲覧を行えます。
オンラインで商品を購入する際にサイズや質感などを図ることができます。

◉NIGHT SYNC YOKOHAMA【国内】

夜間イベントでの演出にもWebARは一役買っています。
NIGHT SYNC YOKOHAMAでは、横浜のナイトエコノミーの活性化を目的として光と音で演出したイベントで、
Web ARが利用されました。

会場に設置されているARマーカーをスマホで読み取り、
プログラム時にその箇所にスマホを向けることで、ARの世界が映し出されます。
Web ARはこのような特別演出において、現実の風景にスマホ越しでデジタル映像を重ね、
デジタルとリアルが一体となった空間の体験を実現しました。

◉AR in Google Search【海外】


検索サイト大手のGoogleは、スマートフォンやタブレットから
動物の名前を検索するとARで楽しめる機能を追加しました。

任意の動物の名前をスマホなどで検索し「3D表示」を押して「AR」を選択すると、
現実世界に精緻な動物のCGが映し出されます。
それぞれの3Dモデルは大きさや場所を自在に変えることができるので、現実の風景になじませることが可能です。

◉シュウ ウエムラ【国内】

コスメECでのバーチャルメイクアップでもARは利用されています。
メイクアップアーティストである植村秀氏が創業したブランド「シュウ ウエムラ」が運営するオンラインサイトでは、
WebARを利用したバーチャルメイクアップを体験できます。
ARメイク機能については人気リップアイテム150種類以上に対応しており、現在ではそれ以外にもファンデーションやアイメイクなどに対しても利用できます。

https://www.shuuemura.jp/virtual-try-on/

 

Web ARの開発コストと納期は?

Web ARは、ARアプリと比較して開発の工程も少なくなるので、開発コストは抑えられる傾向にあります。
具体的には、企画に始まりUIデザイン、3DモデリングとARの開発、
最終的なクオリティチェックとテストまで含めて、およそ一か月から3か月程度が相場です。

また、コスト面では、AR開発、3Dモデルの制作、ツールの利用料金など含めて300万円前後が目安となってきます。

 

Web ARの開発プラットフォームをご紹介

Web ARを開発する具体的なプラットフォームを3つ紹介します。

  • 8th Wall
  • AR.js
  • LESSAR
  • AR Quick Look

 

それでは順に解説していきます。

◉8th Wall


「8th Wall」は、Web AR開発プラットフォームの先駆者的存在であり、
広く世界中で使われているプラットフォームです。
これは専用開発ソフトのいらないクラウド型開発サービスであり、
公式ホームページからアカウントを作るだけで誰でも簡単にWeb ARの開発に着手できます。

画面認証や顔認証、3Dキャラクターのアニメーションなど、
作りこめばAR専用アプリと比較しても遜色のないほどの出来上がりになります。
iOSやAndroidに対して表示可能なのでスマートフォンでの利用を幅広く検討することができます。

◉AR.js

AR.jsは、WebAR開発のための無料オープンソースソフトウェアです。
もともとは、個人のリポジトリとして始まり、誰でも無料で利用できるのが特徴です。
オブジェクトを作成できるソフトウェアである「A-Frame」と紐づけることによって
WebARとして動かすことができるようになります。

しかし、搭載できる機能が少なかったり、
プラットフォームに起因する不具合への対応が難しいなどのデメリットもあります。

https://ar-js-org.github.io/AR.js-Docs/

◉LESSAR

 

「LESSAR」は、ARアプリを作成できるクラウドサービスである、
「COCOAR」を提供しているクラウドサーカス社が運営するクラウド開発サービスです。
初期費用は無料であり、QRコードを読み込むだけでシームレスなWEB ARを提供できることが持ち味になります。
現在では、中小企業を中心に3000社を超える導入実績があります。

日本企業が開発しているプラットフォームということもあり、
操作画面やアクセスログなどが日本語表示されます。

そのため英語が苦手という方にもうってつけのサービスといえます


◉AR Quick Look

 

 

AR Quick Lookは、簡単なAR体験を提供するための技術です。
主に、3Dオブジェクトを現実世界に配置してプレビューするような用途で使用されます。
AR Quick LookはSafariなどのウェブブラウザで動作し、USDZやRealityファイル形式をサポートしています。
Androidのブラウザで開いた場合は、AR Quick Look ではなく Scene Viewer で表示されます。

ウェブページにリンクを埋め込むだけで、AR体験を提供できます。


まとめ

今回は、「WEB ARのメリットと具体例」について解説してきました。注意点やポイントについておさらいしていきましょう。

Web ARを利用するメリット
  • 短納期で開発できる
  • 低コストで開発できる
  • 利用者が気軽に使いやすい
Web ARを用いた具体的事例
  • スターバックスさくら2020【国内】
  • Shopify AR【海外】
  • NIGHT SYNC YOKOHAMA【国内】
  • AR in Google Search【海外】
  • シュウウエムラ【国内】利用者が気軽に使いやすい
Web ARの開発プラットフォーム
  • 8th Wall
  • AR.js
  • LESSAR
  • AR Quick Look

Web ARは、開発コストが低く抑えられたり、開発期間が短期で済むためおすすめのツールだとといえます。
その一方で、従来型のアプリARに比べて技術的な面で未熟なところがあったり、
安全性などにかける部分もあるのが現状です。
今後はWeb ARの一層の発展が見込まれます。

利用を検討したい方や開発についての見識を深めたい方など、本記事を参考にしてみてください。

 

参考:https://note.com/ivan622/n/n94df1b69556b