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ARとVR、MRの違いは?市場規模や活用事例も合わせてわかりやすくご紹介
現代のテクノロジーは、私たちの生活やビジネスのあり方を根本的に変えています。その中でも、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、混合現実(MR)は注目を集めており、幅広い分野で活用されています。
本記事では、AR、VR、MRの違いについて解説し、それぞれの市場規模や活用事例をご紹介します。
1. AR(拡張現実)とは何か?
ARとは「Augmented Reality」の略称。ARは、現実世界を立体的に読み取り、仮想的に拡張する技術のことです。
スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使用して、現実の世界に仮想的な要素を表示することができます。例えば、ARを活用したゲームでは、現実の風景に仮想のキャラクターやアイテムを表示することができます。ARは、現実と仮想を組み合わせることで、新しい体験や情報の付加価値を提供することができるため、エンターテインメント関連やEC業界、教育、営業支援、製造業など幅広く活用されています。
<ARの種類>
・マーカー型AR:ポスターや画像、壁面のデザインなどを読み込んでARコンテンツを呼び出す場合
・平面認識型AR:部屋や空間を認識することでARコンテンツを呼び出す場合
・位置情報型AR:GPSなど位置情報を認識することでARコンテンツを呼び出す場合
2. VR(仮想現実)とは何か?
VRは「Virtual Reality」の略称。VRは、完全に仮想の世界を体験するための技術のことです。
VRデバイスを身に着けることで、ユーザーはまるで別の場所にいるかのような感覚を得ることができます。また視覚的な情報だけでなく、音声や触覚などの刺激も組み合わせることで、没入感があり、より臨場感のある体験が可能です。
VRの活用分野としては、ゲーム、エンターテイメント、教育などがあります。ARとの違いは、VRは架空の世界、ARは現実の世界に表示されるデジタル情報が見えることです。
<VRのデバイス種類>
・スマホ型:VRゴーグルにスマートフォンをセットして使います。
・PC/ゲーム型:VRデバイスをPCやゲーム機に接続して利用します。スマートフォンより解像度が高く高画質なため、高い没入感を体験することができます。
・スタンドアローン(一体)型:VRデバイスひとつ(単独)で動作する仕組みで、PCもケーブルも必要なく、体験する場所を自由に選ぶことができます。
3. MR(混合現実)とは何か?
MRは「Mixed Reality」の略称。MRは、表示されたデジタル情報を触って操作できる技術のことです。
MRデバイスを装着することで、ユーザーの位置や動きに合わせてデジタル情報を表示したり、直接ユーザーがデジタル情報を触って操作したり、複数人で同時に体験をすることが可能です。
ARとMRの違いは、ARはデジタル情報に直接触れて操作ができない一方で、MRは直接触れて操作し書き換えもできるという点です。例えば、MRを活用した作業支援システムでは、作業者が現実の環境で作業を行いながら、必要な情報やガイドをリアルタイムで表示することができます。
● そして、これらのAR、VR、MRをまとめた総称として「xR」という言葉が近年使われています。
4. 市場規模と成長予測
AR、VR、MRの市場は急速に成長しており、さまざまな産業や分野で活用されています。リサーチ会社IDCの有料オンライン・データベース「世界のAR・VR支出ガイド(Worldwide Augmented and Virtual Reality Spending Guide)」によると、AR/VR市場の規模は約1,860億ドルに達しました。将来的には、教育、医療、観光、製造業などの幅広い分野での活用がさらに進むと予測されています。また、最近では2023年6月にAppleがAR/MRデバイス「Vision Pro」を発表、PCモニターとしても活用でき、より一層生活の一部になっていくことが予想されます。
5. 活用事例
・教育
ARを活用した教育プラットフォームでは、生徒が仮想的な環境で実験や体験を行うことができます。またVRを使用した教育コンテンツでは、歴史的な場所や文化的な体験を再現したり、仮想空間内での英会話レッスンなど学習効果を高めることができます。
・医療
医療現場では、MRを使用して手術のトレーニングや手順のガイドを行うことができます。また、VRを活用したリハビリテーションプログラムでは、患者が仮想的な環境で身体を動かすことで、より効果的なリハビリが可能となります。
・ビジネス
ARを使用したマーケティングキャンペーンでは、商品や広告を仮想的に体験することができます。バーチャル試着をさせることで購買意欲を向上させ、リアル店舗への誘導につなげたり、ECサイトから購入までの障壁を下げたり、返品率を減少させるなどというマーケティング施策としてARが活用されてきています。
まとめ
本記事では、AR、VR、MRの違いについて解説し、それぞれの市場規模や活用事例をご紹介しました。
AR、VR、MRはそれぞれ異なる技術であり、異なる用途や利点を持っています。ARは現実世界を立体的に読み取り、仮想的に拡張する技術のことであり、VRは完全な仮想の世界を体験する技術です。一方、MRは現実世界と仮想世界が融合したもので、表示されたデジタル情報を触って操作できる技術のことです。これらの技術は急速に発展しており、教育、医療、マーケティングなど様々な分野で活用されています。今後の技術の進化によって、AR、VR、MRの活用領域はさらに広がることが予想されるでしょう。